- WRXとはどんなスノーボードブランド?
- WRX全モデルの性能と特徴を比較したい
- おすすめのラントリモデルは?
「WRX Snowboard」はカービングとトリックを両立するために作られた、ラントリに特化したスノーボードブランドです。カービングとトリックという相反する2つのスタイルに必要な性能を高レベルで兼ね備え、ラントリのパフォーマンスを極限まで引き出すスノーボードを展開しています。
この記事では、ラントリに特化したスノーボードブランドであるWRXについて、ボードの特徴や性能、搭載しているテクノロジーについて詳しく解説します。目的やレベル別のおすすめモデルも紹介しますので、WRXのスノーボードが気になっている人はぜひ参考にしてください。
WRXとはカービングとトリックを両立するスノーボードブランド

WRXとは人気のグラトリ・ラントリライダーである「いぐっちゃん」により、2020年に立ち上げられた国産スノーボードブランドです。カービングに必要なグリップ力と推進力を持ちつつ、トリックの柔軟性と遊びやすさも兼ね備えた、超軽量かつ強靭で高反発なボードラインナップを展開しています。
WRXのブランドコンセプトと経緯

WRXはブランドコンセプトに「よく走る・切れる・遊べる」を掲げており、この3要素を高いレベルで実現するために独自設計された唯一無二のスノーボードが特徴です。カービングとトリックという2つの相反するスタイルを両立させるために、独自のアイデアとテクノロジーを組み合わせた高品質なスノーボードを製造しています。
WRXが立ち上がった経緯は、ブランドの創設者である「いぐっちゃん」が、『カービングもグラトリも両方楽しめるボードがあったらおもしろそう』と思ったことがきっかけです。ラントリという滑走スタイルが近年人気になってきていることもあり、ラントリを文化としてもっと広めていきたいという想いも込められています。
WRXの創設者である「いぐっちゃん(本名:井口勝文さん)」は、日本でもトップ3に入るラントリライダーとして知られており、スノーボードのYoutuber兼インフルエンサーとしても人気があります。ギア解説やハウツー動画などを中心に配信しており、スノーボードの確かな実力と親しみやすい人柄も魅力です。
WRXは「RICE28」の兄弟ブランド
WRXはもともとは「RICE28」というブランドの”ラントリボード”として展開されていたモデルの一つでした。いぐっちゃんはRICE28のライダーでもありWRXの開発に深く携わっていたことから、RICE28とは少しコンセプトが異なるWRXを独自のブランドとして切り離す形で展開してみようとなったとのことです。
つまりWRXは「カービング×グラトリ」の専門メーカーとして、のれん分けのような形でRICE28から独立したブランドになります。(いぐっちゃんはRICE28のライダーを辞めたわけではなく、WRXとRICE28のどちらの板も乗ります。)

WRXボードのテクノロジーと特徴

WRXは「走る」「切れる」「遊べる」の三要素を高いレベルで実現するために、独自のボード設計や形状、テクノロジーを採用しています。以下にWRXの主要テクノロジーをご紹介します。
- ハイブリッドキャンバー形状
- グラファイトソール(Graphite Sole)
- 専用設計プレート(HX/HX2プレート)
- PEリボン
ハイブリッドキャンバー形状

WRXは25-26モデルの板にはすべてハイブリッドキャンバー(可変キャンバー)形状を採用しています。この形状は、通常時はキャンバー形状と同様の高いグリップ力と反発性を提供しますが、プレスなどの加重時は底面がフラットになることで取り回しやすさが向上します。
自由度の高い操作性とキレのあるグリップ性能という相反する2つを兼ね備えたWRXの独自設計で、ラントリでの圧倒的なパフォーマンスを発揮します。また、WRXのハイブリッドキャンバーは有効エッジが長めに設計されており、高速ターンや荒れた地形においての安定性も抜群です。
グラファイトソール(Graphite Sole)
WRXボードのソール(滑走面)には、滑走性に優れた最高品質のグラファイトソールが搭載されています。グラファイトソールはワックスの浸透性が高いナチュラルシンタードと静電気の除去効果のあるグラファイト(炭素の結晶)素材が配合されており、スノーボードの滑走性能を飛躍的に向上させています。
ソールと雪面との摩擦によって生じる静電気を除去することで、ゴミの付着を軽減し、滑走性能の低下とボードの劣化を防いでくれます。グラファイトソールは日本のあらゆる雪質に適応し、オールシーズン朝から晩まで滑走品質を落とさないWRXの大きな特徴の一つです。
専用設計プレート(HX/HX2プレート)

WRXの板には独自開発のHXプレートが芯材に搭載されており、滑走時の制振性能を高めるとともに、しなやかな粘りと弾性を発揮します。ボードの基盤となる芯材には軽量なウッドコアを採用し、高強度で錆びにくいステンレスのエッジと組み合わせることで、カービング時に必要なグリップ力とトリックの操作性を提供します。
HX2プレートはインサートホールの拡張を可能にしたWRXの新型プレートであり、高い強度と部分的なフレックスのキープが可能です。この専用設計プレートにより、高速での滑走や荒れたバーンにも負けない安定したカービングパフォーマンスを発揮します。
PEリボン
WRXボードの芯材には、非常に軽量で強度の高いPEリボンが内蔵されています。このリボンはボードの捻れを維持しつつフレックスを強化する役割を持ち、カービングやトリックの反発性能を大幅に向上させます。硬すぎず柔軟性も持ち合わせているため、高速でのターンにおいても操作性を損なわず、あらゆるレベルのライダーの動きに対応します。
WRXの全モデルの特徴とおすすめボード

WRXはライダーの滑走スタイルやレベルに合わせて「Mk-S」「Mk-U」「Mk-CW」の3モデルを展開しています。それぞれのボードの特徴や違いを以下に解説します
モデル名 | 形状(シェイプ) | 形状(チップ) | フレックス(硬さ) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Mk-S | ハイブリッドキャンバー | ディレクショナルツイン | ややソフト | ラントリ重視 |
Mk-U | ハイブリッドキャンバー | ディレクショナルツイン | ややソフト | スピード重視 |
Mk-CW | ハイブリッドキャンバー | ディレクショナルツイン | ミディアム | カービング重視 |
※ すべてのモデルにメンズとレディースモデルのラインナップがあります。
Mk-S

WRXの「Mk-S」はカービングとグラトリを両立するラントリボードの原点となるモデルです。形状はグラトリボードをベースとしたハイブリッドキャンバーが採用されており、有効エッジを長めに設定することでハードなカービングにも対応しています。
また、本格的なカービング性能を発揮しながらも接雪長との絶妙なバランスにより、グラトリ時にはエッジの長さを感じさせない構造です。「Mk-S」は扱いやすさとターン性能を絶妙なバランスで兼ね備えているので、ラントリを存分に楽しみたいという人や、これからラントリを始めたいという人にもおすすめのボードです。

Mk-U

WRXの「Mk-U」は『より速く』をコンセプトとした、圧倒的なカービング性能と走破性を誇るハイエンドボードです。洗練されたノーズ形状と接雪長とのバランスが最大の強みとなっており、抵抗を限りなく少なくすることで、カービング時にとんでもないグリップ力と推進力を発揮します。
ハイスピードに特化した設計でありながらも、ややソフトなフレックスに調整することで板のしなりを高め、トリック時の操作性も向上させています。「Mk-U」はスピードを出したカービングに特化しながらも、WRXならではのトリック性能も楽しみたいという中級〜上級者におすすめのボードです。

Mk-CW

WRXの「Mk-CW」は圧倒的なカービング性能を追求して作られたディープカービングモデルです。他のモデルよりも一回り太く設計されたウエスト幅が最大の特徴で、深いカービングをした際のドラグ(ブーツやビンディングが雪面に接触すること)を最小限に抑えてくれるため、体を限界まで倒したキレのあるターンを可能にします。
「Mk-CW」はエッジを効かせたキレのある深いカービングを楽しみつつ、高反発を活かしたジャンプやラントリにも対応します。エッジの捉えやすさにフォーカスした超ワイド設計なので、板を限界まで倒したカービングがしたいライダーや、足が大きめの人にもおすすめです。

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